あまりにも優秀な人間の絶望 -ネウロ109話



魔人探偵脳噛ネウロ 11 (11)



今回はI(アイ)についての言及が興味深いです!

魔人探偵脳噛ネウロ第109話 遭【であい】


Xが放った蛭が少々無理やりだが、事件…謎を発生させていた。
村の地主「狸崎登志男」が殺されていたのだ。
強引なやり方でこの村一帯の土地をコツコツ奪い取ってきた狸崎。
せっかく手に入れた土地が人が住めない毒ガスで覆われれば困ってしまう。
それで生きるのが嫌になったのか?土地の様子を見に行ったのか?
どちらにせよ、毒ガスが充満する危険な森の中に入って死んでしまった。

事故?自殺?

と皆の頭に浮かぶが、ネウロが一蹴する。
狸崎はサンダルを履いている。起伏に富むこの森をサンダルで歩くのは困難。
そして一番注目すべきは、狸崎の靴下が全く汚れていないということだ。
狸崎は現場まで自ら歩いて来てはいない。
つまり何者かによって運ばれて来た可能性が高いということだ。
事件となれば謎となり、ネウロの糧となる。
だが、

弥子「…ネウロ。テンション低いね」

いつもなら謎が発生すれば大喜びであの手この手で情報収集をし、
謎を食べる為に疾走するネウロだが、今日はいつもと様子が違う。
弥子はネウロの細かい変化を察知していた。
弥子は、このような人(今回は魔人だけど)の心情を察するのが人一倍優れている。
犯人の動機や人間の細かな変化を読み取ることがとても上手なのだ。
これはネウロにはできない芸当である。
だから2人は立派なコンビに成りえるのだと思います。

さてテンションが低いネウロ曰く「何かがおかしい」とのこと。
謎なのは間違いないが、この謎はまるで「養殖されたかのような『謎』」と 感じている。
勿論今回の謎は蛭が作り出した謎であるからこの指摘はかなり的を得ている。
本来、「謎」とは自然発生的に存在するのが普通だ。
だが今回はあまりにも不自然だと感じるネウロ。
これがまさか…Xの仕組んだものと知るのは、また後の話…
と、いうことで今回のネウロと弥子はここまで。

場面は変わって警視庁へ
前回に引き続きIの話がされている。
Iは、国の命令で破壊活動を行う国家工作員(テロリスト)であり
『飛行機落とし』のイミナの通称で恐れられているという。
彼女は、最高の資質を持った人間が最高の教育で育てられたエリート中のエリート!
正に、最凶の工作員であったIだったがある時を境にこつぜんと姿を消す。

当時のIは自分が国で最も優れていた人間と理解していた。これは思い上がりではなく実際そうだったのだろう。 しかし彼女は優越感など感じていなかった。
人間など皆大差はないと…
人間である限り限界はあると…
どれほど自分が優れた人間であろうと、人間には越えられない壁があることに彼女は絶望していた。

絶望した!限界があるとわかっている世界に絶望した!

というわけである。
余りにも優秀な人間は、優秀さ故の葛藤がある。
このこと自体、漫画で取り上げられることがよくあるあるテーマ。
今回似ているなと思ったのが幽遊白書の「仙水」と「戸愚呂」ですね。
正当な方法では限界があることに気づく…だから「人」という存在から外れてしまう。
そして彼女も出逢ってしまったのだ。Xという存在に!

常識では考えられない…人間の限界を超えた人間!
XとIの出逢いの話でした。
「人」という存在から外れると書きましたが、Xは人間です!
前にも書きましたが、ネウロという魔人と人間の戦いがテーマであると考えられるこの「魔人探偵脳噛ネウロ」は ネウロの相手は必ず人間でないといけないからです。
というわけでIの素性がだんだんわかってきましたね~。

画像(C) 松井優征



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