世界中でたった一人目覚めた少年 -眠れる惑星
■夢のような世界
朝起きたら両親がまだ寝ていました。そしてどうやっても起きない。
電話も通じない。TVもやっていない。外に出てみても人っ子一人見当たらない。
いや…いないんじゃない!自分以外が全員寝ているのだ。
そんな世界は夢以外考えられませんが、これはおそらく現実。
世の中の全ての人間が寝ていて、誰一人として起きる気配がない。
世界中の人間が寝ている…ただ一人『永井淳平』を除いて。
普通こんな世界になってしまったら取り乱すのが普通でしょうが、
高校生でありながら淳平は多少は驚きつつも冷静に街中を見て周ります。
「そのうち、何もなかったかのように、みんな自然に目を覚ますんじゃないか」
とか
「一晩たてば状況は変わるかもしれない」
など、意外と楽観的な思考をしているんですよ。
何よりうまいのがこの誰もが寝ているという世界観。その描写の仕方がとても上手です。
普段は常に人で溢れかえっているであろう街中から人を消してしまった空虚な世界。
日中は人がゴミのようにいるのに、早朝来ると人が疎らでいつも見ている景色も違って見えたり、
何もやっていないビッグサイトを見るような感じでしょうか。
人ごみってそれだけで景色の一つになってしまいますからねぇ。
その人ごみがいなくなった空虚な世界の描写がものすごくうまいのがこの『眠れる惑星』なんですよ。
ちなみに『惑星』と書いて『ほし』と読みます!
■淳平が他人を起こすたった一つの方法
吉野恵美…彼女は、この世界で眠り続けている一人の女性でしかありませんでした。
しかし、彼女は淳平の次にこの世界で目を覚ました人間なのです。
彼女は特別な人間ではありません。でもあるいみ特別な人間だったのかもしれません。
淳平に気に入られたという事が。
彼女は目を覚ましました。どうやってか。それは…
淳平とセックスしたから!
そうなのです。淳平とセックスすることが目覚める唯一の方法なのです。
細かく言うとちょっと違うのですが、その辺は読んで確かめてください。
『淳平と』と書きましたが、勿論眠っている彼女達に選択肢はありません。
さて、目覚めたお姉さん『吉野恵美』はパニック状態に陥ってしまいます。
目が覚めたらレイプされていて、助けを呼ぼうにも誰もが寝ているというありえない事態だから当然です。
そもそもなんでこんなことになったのかなんですが、やはり楽観的思考の持ち主である淳平だから
こその出来事だったのでしょう。
どうせ起きないからやってしまえ!という安易な考えだったのでしょう。
淳平はこの誰もが目覚めない世界が終わる前に楽しんでおこうと車(勿論『無免』)で色々なところへ
いったりと割と楽しんでいたんです。
この現実に順応しちゃって逆に楽しもうとするなんて肝が据わっている高校生です。
その後一緒に行動する事になる吉野恵美にも「だめだわ…危機感ゼロ」とあきられるくらいでした。
淳平が楽観的なのに対して恵美が悲観的というのもちょっと面白い。
■ちょっと気になっていた女の子
ついにこの物語のヒロインの登場です。
淳平曰く「よくわかんないんです…正直、好きなのかどーかも…」
と、濁した言い方なのですが、気になる女の子は誰かと聞かれれば深町エリコと彼は答える。
そんなわけで彼女も起すことになるのですが、彼女は淳平以上に変わった人物です。
その適応能力は群を抜いていました!
でも何がいいかって、淳平とのイチャつきぶりですよ。
1巻後半もニヤニヤ(・∀・)しながら読めるのですが、2巻以降は更にいいです!
とはいえ、2巻以降の淳平にはハーレムも待っているのですけどね!ちなみに4巻完結です。
淳平を中心とした世界はどんな結末をむかえるのかが気になって仕方がありません!
そんなわけで、新刊ではないけど私が過去ハマった漫画の紹介でした。
私はスーパーニヤニヤタイムが大好きです!
画像(C) 陽気婢 / 小学館
眠れる惑星 1 (1) (サンデーGXコミックス) | |
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