コミックギアはH-projectの商業化なのだろうか!?
コミックギアの誕生の経緯
数日前に発表された新マンガ雑誌『コミックギア』。
普段なら、「へーまた増えるんだ。とりあえず最初だけ買って様子をみようかなぁ」と軽く流すのですが、
この雑誌は今までのマンガ雑誌とは色々と異なる点があり凄く注目しています。
まず、この雑誌の企画をしたのが『ドージンワーク』や『マンガ家さんとアシスタントさんと』(後者は連載中)で
知られるマンガ家のヒロユキ先生だったということです。
一マンガ家の企画が通って新雑誌を創刊するなんてすごいことですよ!
コミックギアの特徴
「コミックギア」は連載作家全員が、毎日一つの仕事場に集まり作業をし、マンガ家同士が、協力し合って作っています。
誕生の経緯がどうあれ、これは新しいマンガ雑誌の形態じゃないでしょうか。
そもそも普通のマンガ雑誌だと連載マンガ家同士っていうのは仲間というよりはライバルな関係ですよね。
同じマンガ雑誌という枠の中で競争をしているわけです。
勿論マンガ雑誌によって大小異なりますが、競争というイメージは『週刊少年ジャンプ』が一番顕著です。
『バクマン』では連載が始まった、亜城木夢叶(サイコーとシュージン)はアンケートの順位に一喜一憂している
ことからもわかるように、過酷な生存競争なのです。
人気がなければ10週(下手すればそれ以下も)で連載が終わってしまう厳しい世界です。
昔少し紹介したやぶうち優先生の『初恋指南』とういマンガがあります。
これは女子高生の女の子がマンガ家になっていくストーリーなのですが、担当の方に
「同じ雑誌の作家同士仲良くなりすぎると後で仕事のことが原因で気まずくなったりしないか...って」
と注意される場面があります。これは同じ雑誌の作家はライバルと考えているからです。
しかし、コミックギアでは作家達の関係はライバルではなく仲間となるようです。
連載作家全員が、毎日一つの仕事場に集まり作業をし、マンガ家同士が、協力し合って作っています。
コミックギアは、マンガ家全員で一丸となってマンガが面白くなるように協力し合うというのです。
勿論懸念点もあります。、
マンガ家視点になりすぎて読者を置いてきぼりにしないか、多人数の意見を取り入れることで没個性にならないか、
人気順が下になってしまったマンガ家のフォローはどうなるのか、人気順により上下関係が生まれないか等々です。
初めての試みなので何かと大変かとは思います。
それにしても連載作家が同じ場所で仕事をするっていうのもまた新しいですねぇ。
というか連載マンガ家が一つの場所で仕事するというよりは、
1つ巨大なマンガ家集団みたいなものと考えてもいいのかもしれませんね。
...と思ったら、
コミックナタリーさんに連載作家陣が掲載されていました。
公式に載ってないので見逃していました!
で、肝心の作家陣ですが
1号目の執筆作家は、ヒロユキを筆頭に、じゅら、ユーゴ、友吉、ユーキ、三角おむすび、櫻井マコト、とりねこ、九品そういん。すべて40~60ページという読み応えある作品を発表する予定だ。
こ、このメンツは凄く見覚えがある!というか...H-project そのものじゃないですか!
そういうことだったのですか!コミックギア制作部日記に
これまでにすでに約2年間、皆と一つの仕事場で作業を続けてきて、やっと昨日の発表までたどり着きました。
「約2年間」という記述に(´・ω・`)?だったわけですが、これで納得がいきました!
H-projectの商業化なのか...それともH-project自体がコミックギアの布石だったのか。
コミックギアが他誌と変わらない事
変わった創刊方法だったり、今までにない制作方法だったとしても他誌と変わらない事があります。
それは読者がマンガを読むということ。
読む側としては基本何も変わらないのですよね。
面白ければ次も買うだろうし、つまらなければ買わないかもしれません。
8月11日...コミケと同じ週ですが、楽しみに待ちたいと思います(`・ω・´)
画像(C) 小畑健 / 集英社