ミステリアスな物語!サンデー新連載 -魔王

サンデーは、まだ単行本になっていない「ギャンブル」を注目しています。
そして今週から始まった新連載にも期待してみようと思います。

主人公は高校2年生の男の子「安藤」
彼は昔、自分が超能力を使えると思っていた。
安藤は自分が考えていること・思っていることを他人の口から言わせることができる!
…と思っていた。
たまたまコーラを飲んだ時の事だ。安藤は心の中で色々考えていた。

安藤「正座していて足がシビれるあれは…コーラとかの炭酸と同じなのかもしれない」
「炭酸の泡も足のシビれも放っておけば消える」
「きっとコーラは足の中の……」

そう考えているまさにその時であった。
安藤が彼と全く係わり合いがないであろう男性とすれ違った。
その時その男性の口から…

「足の中の細胞から作られているんだ!」

自分が今まさに考えていることが他人によって発せられた!
安藤はこういう体験を何度もするようになる。
だから安藤はこのことを自分の超能力だと勘違いするようになる。
子供の頃って、ちょっと不思議な体験をすると自分は何か特別な能力を持っているのではないか?
とか思ったりした経験ありませんか?
私は子供の頃「デジャブ」が何度かあったんですよ。
デジャブ(既視感)を知らなかった私はそれを特別な何かと勘違いしている時期がありました。
子供の頃の安藤はこの事を友人に話すも信じてもらえず「変な奴」のレッテルを貼られてしまう。
本人曰く「暗黒時代」
だから高校生になった今はなるべく友達に合わせた高校生活を送っているというわけだ。

そんな平凡に暮らしていた安藤は帰り道で弟に会う。

安藤潤也。
ここでおかしいと思いました。
主人公である兄貴の安藤の下の名前が出てきていないのです。
キャラ紹介では「安藤」のみ。
友人の呼び方も「安藤」。
弟の潤也は兄のことを「兄貴」と呼ぶ。
どう考えてもこれは意図的なものでしょう。
これが何の意味があるのかはわかりませんが、何かしら重要な要素なのかもしれません。
(以下、兄は「安藤」 弟は「潤也」と表記します)

さて、この安藤兄弟の帰り道に不良が騒いでいた。
そして安藤はボールをぶつけられ笑いものにされてしまう…。
潤也は腹が立つので仕返しをしようとするが、安藤は相手の人数とバットとか所持していることから 警察に連絡するれば済むと潤也をなだめる。
安藤は、人から外れることを酷く恐れているのだ。
それは子供の頃のトラウマである「暗黒時代」のせいである。
だから不良に目を付けられる様なことにはなりたくないのだ。

そんな時、グラスホッパーという自警団の一人の男が登場する。
彼の名は「犬養」
かなりユーモアがありドリーマーな彼は、
不良のリーダーにバットでぶん殴らせてくれたらこの街から去るという口約束を持ちかけられる。
即答で「いいよ」と答えた彼は本当にぶん殴られる。バットでおもいっきり…。
犬養は
「ブラックリストに入れておくよ。」
「ブラックリストに載った人間に対しては容赦しないから覚えておいて。」
その後、犬養に気圧された不良どもは去っていく。

安藤はまた考える。
警察に任せれば殴られずにすんだんじゃないのか?
無駄なリスクを負うべきではない!
自分の選択は間違っていない!
と、自己の生き方を否定しないように自分自身を納得される。

翌日、安藤兄弟が電車に乗っていると…

痴漢を目撃する!
というか縞パンかよ!!!
……
まあそれはおいて置いて、少女がおっさんに痴漢されているのだ。
弱気がちな少女は「困ります」と抵抗するのだが

おっさん「私が痴漢だというのかね?冗談じゃない。」

自意識過剰だと云い、おっさんは逆ギレする。
それを見かねた潤也は助けに入る。
困っている人を見たら放っておけない人間なのだ。
そんな潤也に安藤はなんでもかんでも首をつっこむなと諌める。
騒ぎを大きくすることはない…と。

潤也「兄貴、本当にそれで納得してる?」

と安藤は問われるが、「あたりまえだろ」と答える。
だが安藤の顔からは全く覇気が感じられない。
安藤は自分の正義を保身のために押し殺しているのだ。
でもやはり安藤は迷う。
被害者のはずの少女が加害者扱いされ泣いている。
本当にこのままでいいのか?
そんな時、昨日の犬養が脳裏に過ぎる…。
「でたらめでも自分を信じて対決していれば、世界だって変えられる」
そう自信満々に言い放った犬養が思い出される。
そしてついに安藤は動く!

安藤が自分の正義を貫き通した瞬間であった。
事態は動くが、肝心の少女がおっさんの怖い顔におびえきってしまっている今、埒が明かない。
おっさん「黙っているということは私の無実を認めるということですね?そうですね!?」
と、少女に威圧的に発言する。

少女「ふざけるな」

おっさんは驚くが、一番驚いたのは安藤だった。
自分が思ったことが彼女の口から発せられたからだ。
更に、安藤は思う。 「人のケツ触っといてふざけたこと言ってんじゃネェ!! ぶっ殺すぞ!!!」

安藤が心の中で思ったことが少女の口から発せられたのだ!!
安藤の能力は本当に超能力だったのか!?
今回はたまたま偶然…奇跡でも怒ったというのか!?
まあ奇跡って起きないから奇跡tt(ry
仮にこの能力が本物だとしても誰にうちあけるわけにはいかない…
そう誓う安藤であった。

さて更に翌日。
前の不良が40人くらいの人数で犬養の所に仕返しに向かう。
それを見た安藤は気になってつけていく。
そして彼が見たものは、信じられない光景となる。

おそらく人ではない大勢の"何か"に返り討ちにあった不良達の姿であった。
そして本作最後のページにはこう書かれていた。

怪物と戦う者は、その過程で自分自身も怪物となることのないよう、気をつけなくてはならない。
深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ。

というところで第一話終了です。
これは結構期待高いんじゃないでしょうか?
主人公「安藤」の正義感と保身の葛藤。
安藤の超能力の謎。
安藤の下の名前をあえて出さない作者の意図。
犬養という存在の謎。
ミステリアスな物語です。色々なストーリが交差しているのが面白いです。
ごく普通の漫画だと主人公一人に注目を集めて終わりそうな物ですが、
この『魔王』は、安藤と犬養という2人に焦点が向けられています。
第一話では2人の物語は殆ど交じ合うことがありませんでしたが、
第二話から色々と絡んでいって面白くなっていくのではないかと思い期待します(・∀・)

画像(C) 伊坂幸太郎・大須賀 めぐみ / 週刊少年サンデー



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