影が薄いキャラというのは漫画では時々出てきますが、最近だと『さよなら絶望先生』に
出てくる『臼井影郎』でしょうか。
彼の場合、影だけではなく髪も薄いですけどね。
さて、この漫画『ココにいるよ!』の主人公である『隅乃ひかげ』は、酷く影が薄い少女なのです。
レストランではオーダーを取りに来てもらえなかったり、
かくれんぼでは見つけてもらえなかったり、学校ではいるのかいないのか分からない状態だったり
とにかく存在感がない少女なのです。
そんな彼女も中学生になり、心機一転して友達を作るつもりでいました。
ひかげ「ともだち…三人はつくるぞっ」
少っ!そこは普通「100人」と言うところですよね。
でも彼女にとって3人友達が出来るだけでも劇的に世界が変わるほどのことなのです。
ほんと友達いないんですね…。
さて彼女の計画であった「中学生で心機一転」でしたが、早速失敗に終わります。
入学当初の登校時に影の薄さが災いしてバイクに轢かれてしまうのです。
その結果、全治二ヶ月のケガを負ってしまい、完治した頃に学校に行けば
友だちグループは既に出来上がっていたという悲惨な現実が待っていました。
そう考えると、転校生とかって大変ですよねぇ。私はしたことはないのでわかりませんが、
中学校くらいですと、小学校からの友達という事も多いから
余計輪に入るのが少し大変なのかもしれませんね。
もともと、影が薄く引っ込み思案だったひかげにとって
そんな状態で友達が出来るわけがありませんでした。
さて、そんな究極影が薄いひかげの趣味はブログでした。
現実の世界では友達がいない彼女にとって、ブログの常連の2人が唯一の友達なのでした。
今日も弱音を吐いた記事を載せれば2人がコメントを残してくれます。
いつも弱音を吐く彼女に優しいコメントを残していく『KUROウサギ』さん。
そして、「まだまだ勇気がたらんのや!でも、このままだとひとりぼっちやで!!」
と、ひかげにとってはちょっときついコメントを残す『メガPIG』さん。
この程度がきついコメントならどれだけ幸せな事でしょうか…。
ところでこのブログ、よく見るとアドレスが載っていたので試しに入力してみたら…
実在しました!どうやら作者である遠山えま先生のブログみたいです。
教師が言い放つ「はい二人作って〜」の破壊力は半端じゃないですね…。
それ同様に3,4人のグループを作るというのも厳しいものがありますよ。
だって、グループに入るには2人ないし3人に受け入れられなければいけないのですから…。
ある時、体育倉庫で掃除をしていたひかげ。
そんな時もやはり存在感のなさが災いして、
中に誰もいないと思われて鍵を掛けられて閉じ込められてしまいます。
それにしても「体育倉庫」という単語が非常卑猥に聞えるのは私の脳がおかしいのでしょうか。
でも、ぐぐってみたらそうでもなかった!
彼女は幼少自体にかくれんぼで見つけてもらえなかった寂しさを思い出します。
それはとても悲しくて寂しい出来事。
見つけてくれる人なんているわけがない!それは彼女が一番よくわかっている…。
だけど不意に涙が溢れ始めます。
わかってはいてもこの寂しさには耐えられないのです。
しかしその時、予想外にも扉が開きます!
その先に立っていたのは、クラスで人気者の男子『日向』でした。
見つけてもらったことが嬉しくて、我を忘れて号泣するひかげ。
いつも誰も見つけてくれないのに、
今日は見つけてくれる人がいたことへの喜び、
そして寂しさからの解放が彼女に涙を流させたのでしょう。
ところでなんでひかげを見つける事が出来たのかというと
日向「ずっと見てたよ。隅乃さんのことずっと見てた…」
ここぞとばかりに愛の告白ですか…。
時と場合が違えば、ストーカーの発言になりそうなセリフですね。
だけど今まで友達がいなかったひかげには、
この少し遠まわしな表現の本意が伝わっていませんでした。
彼女はただ自分を見てくれる人がいるというそのままの意味を嬉しがるのでした。
画像(C) 遠山えま / 講談社
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