『ひとひらの恋が降る』この漫画は、随分と少女漫画でした。
別にやぶうち先生の他の作品が少女漫画じゃないというわけではありませんが、
この作品は、特にその色が濃いんですよねぇ。
単行本派の人は前巻の内容を忘れがちなのでおさらいです。
まず主人公の女の子『晴流』、その彼氏『凪』。晴流の親友『千霞』。晴流のクラスメイト『颯』
時間が開くと名前を真っ先に忘れてしまう私…。
顔を見れば分かるのですが名前が出てこなかったりします。月刊のコミックならまだいいのですが、
隔月とか季節誌の単行本は前回の内容を忘れている事がしばしば…。
違う学校に通う晴流と凪。
凪母に2人の交際を認めてもらえず一層距離を置く関係になっています。
なかなか会えない2人にはいつも『不安』の文字が浮かんでしまいます。
些細な事でもその不安はどんどん増大してしまいます。
そして、結局2人は別れることになってしまいます。
別れは突然で凪からの一方的な通告でした。
しかし、その事を知ったクラスメイトに
このように指摘されてしまいます。
つまり、振られる前に振ったのです。振られるのが怖かった。
晴流が自分から離れていくのが怖かった。
ならいっそ自分の方から離れて楽になろうとしたのです。
本当に好きなら、振られるの覚悟で最後まで突っ切るべきなのですよね。
凪はおぼっちゃんという感じの真面目な性格のせいか少しマザコンみたいですし、
もう少しなりふり構わない姿で挑めばよかったのじゃないかと思います。
指摘を受けた凪はこれからどうするのでしょうかねぇ。
晴流は、凪と付き合うのに関してかなり神経質になっていました。
いつも会えない彼氏の凪。久々に会ったと思えば、同じ学校の女の子と仲良く話している。
そんな彼を見て晴流は不安を抱えていました。
凪からの愛情よりも不安の方が大きくなっているところがあります。
一方、颯はいつもふざけている感じのノリがいい男の子。
いつも晴流を「はるるん」と呼び場を和ませる雰囲気を持ちます。
告白も喫茶店でさらっと言ってしまう男の子なのです。
これは実に颯らしいですねぇ。
この時点では、まだ晴流は凪と付き合っていたので一方的なものでしかなかったのですが…。
その後、体育祭の実行委員や陸上部を通じて2人は色々なやり取りをしていきます。
そんな時、晴流は自分の気持ちに嘘を付けなくなっていました。
晴流は、颯のことを好きになってしまっていたのです。
凪とは別れたので別に問題ないように思えますが、曲者は親友の千霞でした。
颯と千霞の仲を応援するようにしていた晴流にとっては、親友を裏切る事になると思い
とても辛いことなのでしょうねぇ。
颯の母親が少し登場していたのですが彼女は素晴らしい言葉を云いました。
颯母「そのコのどこ好きになったの?」
と颯に尋ねる場面です。
その質問に対してちょっと照れながら簡潔に答える颯に対して
更に、
「本当の恋は気がついたらその人の存在がなくてはならないものになっててどこが好きかなんて 単純に言葉にできないものよ」
素晴らしい言葉ですねぇ。
やぶうち先生とそのご主人との愛を物語っていそうで羨ましい限りです。
画像(C) やぶうち優 / 小学館
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