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詐欺師を詐欺に嵌める詐欺師「クロサギ」

クロサギ 1―戦慄の詐欺サスペンス (1)

今日は、とりあげるネタがない…というか本屋に行く暇がなかったので、
私の大好きな漫画のうちの1つである『クロサギ』を紹介いたします。
どうにも、頭脳対決とか戦略対決とか推理対決とかそういのが無性に好きなんですよ。
時間があるときに、『クロサギ』以外も紹介するつもりではありますが既に完結していたり、
巻数が多かったりするのでなかなか紹介するタイミングがないんですよねぇ。

■そもそもクロサギとは

一般人という名のカモをターゲットに詐欺をはたらく詐欺師達を総称して『シロサギ』といいます。
そのシロサギをターゲットにして詐欺をするすが、この漫画の主人公の黒崎です。
名前が、『黒崎』というのとシロサギをターゲットにする詐欺師ということで、
一部からは『クロサギ』と呼ばれています。
シロサギを対象に詐欺をはたらくのが『クロサギ』こと黒崎なのです。

クロサギ

では何故、わざわざシロサギを詐欺に嵌めるというややこしい事をしているのでしょうか。
その答えを一言でいうなら、復讐です。
黒崎の家族はシロサギに人生を滅茶苦茶にされた過去をもっており既に黒埼には家族はいません。
本人曰く『人助けをする為にやっているわけではない』ということですが、
シロサギの被害に合った人物から僅かな情報を得ては、そのシロサギを詐欺に嵌め、金を奪い
情報料として被害総額相当の金額を被害者に渡します。
その為結果的には被害者を救っていることにはかわりないのです。
別に黒崎が人助けを嫌いというわけではないのですが、
彼がそれを否定するのは、自分の行動の原動力が復讐にあるからなのでしょうね。
『自分は綺麗な事をしているわけではない』という黒崎の考えが根底にあるからなのでしょう。

■黒崎の情報源

黒崎のシロサギの情報源は、大物詐欺師である『桂』という人物です。
実はその桂は、黒崎一家を詐欺に嵌めた計画を立てた人物なのです。
普通に考えれば黒崎は桂の事を恨んでいるでしょうし、顔も合わせたくないはずです。
しかし実際は、桂の所に出入りし彼の事を『親爺』と呼び親しげに話します。
もっとも黒埼が桂に初めて会った当初は泣きながら何度も

「いつか殺してやる」

と呟いていたそうなのです。
実行犯ではないにしろ、計画を立てた人物である桂を黒崎は恨んでいました。
今では恨んでいないといえば嘘になるでしょうが、少なくとも黒埼に殺す気はないでしょう。
黒崎が桂の所に出入りするのは、詐欺師の事は詐欺師が一番詳しいという理由からです。
詐欺師の中でもかなりの大物の桂には、最新情報は勿論、過去の情報が膨大に流れて来ます。
だから、桂の所に行かざるを得ないということなのです。

■大物の悪役の威厳

「いつか殺してやる」と云っていた、黒崎を「クロ」と呼び自分の根城であるスナック
に出入りさせている桂も只者ではありません。
自分を恨んでいる人物を側に置く勇気がありますか。
自分を殺そうとする人物を側に置く勇気がありますか。
私なら絶対に無理です。
桂の付き人の『早瀬』がそれを危惧して

「いつか寝首をかかれるかもしれないとは思わないので?」

という問いに対して、

クロサギ

絶対的な自信を持っている。
それにしても凄い貫禄ですね。これほどの悪役は早々いないです。
"自分を狙っているものを側に置く大物悪役"といえば、
『ダイの大冒険』の大魔王バーンが側近にキルバーンを置くということがありますが、
大物の悪役は、何があっても軸がぶれない心の強さと余裕をもっているものなのです。

画像(C) 黒丸 / 小学館

クロサギ 1―戦慄の詐欺サスペンス (1)
クロサギ 1―戦慄の詐欺サスペンス (1)黒丸 夏原 武

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