う〜ん…。書こうとは思いましたが、なかなか筆が進まず(実際にはキーボードですが)。
何でかって、この『タビと道づれ』が素晴らしすぎるからです。
思い…想い…の交差と、登場人物が思い描く希望そして絶望の描き方のうまさ。
重い話ですが、雰囲気は全体的に明るく描かれています。
この世界観は一言で云うなら『切なさ』だと思います。
この世の中はそんなにうまく出来てはいません。
漫画みたいに全てがうまくいくなんてことはありません。
とにかく一度読んでみる事をお勧めします。
というわけで今回発売となった2巻をご紹介してみようと思います。
舞台は田舎町。そして無限ループ。
この町では、1日がただひたすら繰り返す。住民はそれに気付かない。
1日が繰り返しているのを知る事が出来るのは、「セキモリ」と呼ばれる人物(動物)と
セキモリに「テガタ」を分け与えられた人間だけ。
現状で分かっているのは、セキモリ以外では『タビ』『ユキタ』『ニシムラさん』のみ。
彼女は、ユキタの事が好きだ。
だから、ユキタが学校をやめて家を出て東京に行く事に反対なのだ。
これはカノコの嫉妬だ。
気持ちを伝えた後もユキタは、「それでも東京へ行く」と言った。
だから彼女は東京に嫉妬しているようなものなのだ。
だけど実は嫉妬だけではない。
『つまらない自分のつまらない未来を認める勇気のない人間』と彼女は云うが、
それはユキタではなく、正に彼女自身のことであった。
カノコには、夢や希望がなかった。
普通の成績。普通の評判。ごく普通の生活。
親にも特には期待されないが、かといって愛されていないわけではない。
特に勉強しなくても入れる高校に入り、親…親の親と同様にこの町で一生を終える。
彼女はセキモリだった。
セキモリは自分の願望・希望を適えることができる。
しかし、彼女は何も願わなかった。いや、
願い事が思いつかばなかった
彼女はからっぽなのだ。
『カノコ』というアイデンティティーはないに等しかった。
そんな彼女はユキタが好きだった。
そのユキタが『東京に出て舞台俳優になる』といったことに対して彼女は
酷くショックをうけたことがうかがえます。
カノコには、その頃のユキタは眩しすぎたのだ。
ユキタが自分とは違う世界の人間になろうとしている。
だから、真っ向から否定したのだ。そんなユキタをカノコは認めたくなかった。
認めてしまったら、今の自分がどれほど虚しい存在か認めることになるのだから。
タビは『人と接する事は傷ついていくこと』だという。
人と接する事、生きてゆく事は痛みを伴う。
だから、その痛みから逃げちゃいけない…。
痛みから逃げているということはちゃんと生きていないということだ。
全て感じるものは痛みだ。
だけど、優しい痛みもあるんですよ!
このやり取り…タビとユキタのおかげで、
カノコは変わっていく事ができるようになりました。
2巻には、タビがこの町に来た理由である『航ちゃん』の情報が入り
探しに行くのですが…
それは読んで確かめてくださいね(´ー`)
高校一年生のタビ(右)
中学三年生のカノコ(左)
です。タビはお風呂シーンでも確認しましたが身長のわりに胸がありました(コラッ
画像(C) たなかのか / MagGARDEN
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